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みつば×杉ちゃん 月光:1スレ目27 ホントノキモチ:1スレ目37 蝉の祝福:1スレ目46 ラブレター:1スレ目82 無題:1スレ目232 ( 前編 / 中編 / 後編 ) (杉ちゃん×みつば+ひとは×みつば)無題/小ネタ:1スレ目300 お泊り会/小ネタ:1スレ目433 とある冬のお泊り会:1スレ目445 杉崎みくの日常と非日常:1スレ目722 / 杉崎みくの日常と非日常EX:1スレ目736 無題:1スレ目773 宮下「杉崎…がんばれよ☆」:1スレ目818 みくもだえ:1スレ目826 無題:1スレ目897 ※ふたば×しんちゃん有り これはデートですか? ( 前編 / 後編 ) はい、どう見てもストーカーです。 ( 前編 / 後編 ) 【これはデートですか?の続き】(杉ちゃん×みつば←ひとは←松岡) みつば×ひとは この班でよかった:1スレ目357 ( 前編 / 後編 ) 林間学校後日談、二人でお料理:1スレ目379 私を照らした星:1スレ目388 ( 前編 / 後編 ) 【林間学校~肝試し編~】 冬の日:1スレ目471 ( 前編 / 後編 ) 初詣で迷子 ( 前編 / 後編 ) 長女三女の事情:2スレ目229 バレンタインに如何して嫉妬? ( 前編 / 中編 / 後編 ) その他 憧れる少女:2スレ目196 (みつば×メグ) コレクター・みく:2スレ目297 (杉ちゃん×みつば,ひとは×みつば) 青天白日の贈り物 :2スレ目170 【バレンタインに如何して嫉妬? ( 前編 / 中編 / 後編 )の続き】 『ホワイトデー編』 (ひとは×みつば+ひとは×松岡) SS感想板
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SS応援 イラスト 作者 元ネタリンク 一回戦敗退記念未完成お詫び&説明&感想ss ゆとりのぽこぺん キラキラダンゲロス キラキラダンゲロス第1夜 『渋谷蟲毒事変』 トマトまつり 第一夜 注文の多い料理店と、とばっちりをくった殺人鬼たちのおはなし しらなみ キラキラダンゲロス
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元スレURL SS「ほのかとえり」 概要 ふとした拍子にほのえりの中身が入れ替わっちゃった? しっかり者の穂乃果とだらしない絵里は、そのまま帰宅することになって… タグ ^高坂穂乃果 ^絢瀬絵里 ^μ’s ^高坂雪穂 ^穂乃果ママ ^絢瀬亜里沙 ^ほのぼの ^コメディ 名前 コメント
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「……それともう一つ、駄目な大人からの忠告だ」 -=ー-、,,_ ,,,-‐--、、,,_ , ィ´''´ `´ < / \ / ', / i ,' 人 , l レ! (_)/ / i ! { / /!/ レ /i ハ ∧ l. | ,-、i i´  ̄`ー' lノ ∨丶 L 〉∧ ハi l { t l | _, ,_ `ー´ / i l/ ∨ヾ l | ミ三三ミ 彡三彡 | l | `_i | _|_ゝ、! N へ __ 〉 ゚/〉 //ヾー〈丶 ⊿ ,ィ,,ィ´゙` i /i i . ヾミ≧≦シー /` /l | 〉. . ヽヾ=シ/| ´/. | . i l /. . . . . .ヾシ . . k´ i . . l__,, |. . . . . . . . . . . . . . l l . . /。_,,i. . . . . . . . . . . . . . }. |. . . ´ヘノー-. . . . . . . . -‐! l. . !. . . . . . . . . . . . . . A. . . . /i |/ ` ー 、. . . . . . . / \/ l } `へ / i i `''/ー''' ´! l. | / l | l / ヽ-イ. トー-i ` ヽ丿 【チーム】 その他 【名前】 キョン(本名不明) 【読み方】 キョン 【種族】 人間 【15年後】 SOS団のマネージャー 【死因】 6日目 誠によって私刑にされる(回避) 【初登場】 1stday 【AA出典】 涼宮ハルヒの憂鬱 【人物】 YUKIこと長門有希のマネージャー兼バーテンダーをしている男性。 『伯爵』から貰った特殊な改造COMPによりタケミカヅチ等の悪魔と契約している。 初登場時から既に悪魔使いだったようで、やる夫達の余命が見えていた。 紅茶を入れるのが上手い。 半年前に行方不明になった涼宮ハルヒを探しており、封鎖以前に得た目撃証言から執拗に伊藤誠と接触を試みる。 6thdayでついに誠からハルヒの情報を得ることに成功するが、彼女はすでに魔界へ消えていた。 悪魔以前に人間としても高い性能を持ち、『路上のカリスマ』・『ケンカ魔王』と呼ばれていたらしい。 彼がバーテンダーをしているバーには何故かLをはじめとした魔王達が集っており、出典譲りの苦労症。 15年後の現在は、魔界にも活動の幅を広げたSOS団のマネージャーとして相変わらず多忙な日々を送っている。 スターであるがため彼にまつわるスキャンダルは後を絶たなかったが、彼は生涯独身(ハルヒと結婚したパラレルも存在する)を貫いた。 しかしハルヒの「父親不明」の子供を、まるでわが子のように育てたと言われるが真相は闇の中である。 『共生者』は古泉ことタケミカヅチ。
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140文字SS:トロピカれ笑顔!春のSS祭り2022【2】 1.【競作2022】「ラブとせつなのこわいもの」/一六◆6/pMjwqUTk 四人の必殺技が炸裂し、二体のナケワメーケが元の姿に戻る。 それと同時に顔をしかめて後ずさるピーチとパッション。 「うっ……」 「私、これ苦手……」 「浄化した後の姿に恐れおののくプリキュアて、どないやねん」 ベリーとパインがニンジンとピーマンを拾い上げ、タルトの言葉に生暖かく笑った。 2.【競作2022】はぐっとデリシャスいただきます/かおす 「ネタがないのです」 「しゃりだけの握りは寂しいものです」 「そんなのあるんですかー?」 「おにぎりだー!」 「お客さんなのです! プレシャスなのです!」 「ここにはネタだけの鉄火巻きが」 「それはマグロのお刺身なのです」 「ほかほかごはんにマグロのお刺身ー!」 「しあわせですね♪」
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元スレURL SS「エゴサ」 概要 みなさんの検索履歴を見ちゃいますよ~ タグ ^虹ヶ咲 ^高咲侑 ^コメディ 名前 コメント
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SS まあいろいろ記念ショットとか飾ってます。 何飾ろう。 オワえもん絶賛公開中!(H21 7/30) 実はしっぽやショタが好きな私です ごめんなさい あといろいろこのときは暴走してたんだ.../// 絵とかも描いてる私ですが最近ショタとかしか描いてない (H21 8/11) オワタワー(H21 10/18) 某鯖にてhahahaお兄ちゃんと。(H22 7/6) 祝自鯖 (H22 7/7)
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*<プロローグ、試合名等がここに表示されます> 以降に書かれた文章が、公開されるSSと同じレイアウトになります。 このページはwikiに掲載されるSSページのサンプルです。投稿前の表示テスト等にご利用ください。 ―――――――――――――――<以下がSSページ本文となります>――――――――――――――― ルビ(振り仮名)を振りたい場合は、 振り仮名(ふりがな) を使用(しよう)してください。 SS作成やアイデア整理・相談に役立ちそうなソフト・他 にゃんずプロセッサ http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/160809/n1608091.html わかりやすい、構造的な文書を誰にでも作成できる。 リッチテキストベースのシンプルなアウトラインプロセッサ ---- Foliaro http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/110614/n1106141.html Webページの内容やブックマークまで階層管理できる“アウトラインプロセッサ+ブラウザ” ---- NanaTerry http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/130226/n1302261.html 自動保存機能なども備えた、リッチテキスト対応の階層型メモ帳ソフト ---- iEdit http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/101201/n1012011.html ツリー構造とダイアグラムを自由に扱える、柔軟性の高い“アイデアプロセッシング”支援ソフト ---- XMind 7 http //forest.watch.impress.co.jp/docs/news/732890.html 中心となるキーワードから放射状の樹形図としてキーワードを配置しながらアイデアを表現・発掘していく“マインドマップ”の作成ソフト。 マインドマップだけでなく、ツリー図・魚骨図・組織図といったさまざまなスタイルの図を作成することも可能。 ---- マインドマップ作成方法 https //imindmap.com/ja/how-to-mind-map/ ---- ChatWork http //forest.watch.impress.co.jp/library/software/chatwork/ ビジネス向けコミュニケーションサービス“ChatWork”のデスクトップ向けクライアント 無償で利用できるフリープランでは、14のグループチャット、1対1のビデオ会議、5GBのストレージが利用できる。 ---- テキストエディタの比較 http //wikiwiki.jp/texteditor/?%C8%E6%B3%D3
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ヒロインの悲鳴を聞きつけて、颯爽と現れた自称仮面ライダーこと涼宮ハルヒ。 勿論彼女が変身など出来るはずも無く、学校の制服のままで登場だ。 そして、彼女と闘うのは俺feat.蜘蛛の着ぐるみ。 しかしその正体は、グウにいつの間に改造された本物の怪人である。 当然、本物というだけあって、一般人一人なら簡単に葬れるくらい・・・。 「ぐはっ!!はあはあ・・・、やるわね蜘蛛男!!」 「は~っはっはっは!どうだ、仮面ライダーハルヒ! って、おい!!俺は何もしてないぞ!!」 一体何をやってんだコイツは? いきなり天井裏から出てきたと思ったら、今度は一人で倒れるなんて。 「仕方ないでしょ!アンタがカメラ目線で独り言をずっと言ってんだもん! だからアタシが状況を進めてやったのよ! 全く・・・、キョンみたいな事をするんだから。」 「だから俺はそのキョンだっつーの!!」 「はん!その手には乗らないわよ!『一見知り合いのような格好をして、こちらの油断を誘い攻撃する。』 こんな常套手に乗るアタシではないわ!! そう!私は敵の策略に全く引っかからず、ただひたすら敵を撲殺するヒーローを目指しているのよ! すごいでしょ!」 捨ててしまえ。そんな理想像。 大体、それなら別にピンチを演出しなくてもいいんじゃないのか? 例えば怪人が現れた瞬間に、自衛隊の全武力を総動員して射殺するとか。 もしくは予め決闘場を指定しておいて、地雷源に誘き寄せるとか。 ひたすら敵を倒すヒーローならそれくらい目指さないと。 「何よその目は!!どうせ『怪人が現れた瞬間に自衛隊の全武力を総動員して射殺する』とか、 『予め決闘場を指定しておいて実は地雷原だった』とか考えてるんでしょ! ふう・・・。底が浅いわね。」 「な、なんだよ!!だったらお前はどうやってその目標を目指すんだよ!」 俺の急所を一気に貫くハルヒの言葉。 コイツ・・・、まさか俺の心を読んでいるんじゃないだろうな? 「ふふん!そうね~、私だったらこうやってアンタをぶっ飛ばすわよ!へ~んしん!!」 ハルヒは一声そう叫ぶと、胸から趣味の悪いサングラスを取り出して自分の顔にかける。 サングラス・・・? ああ、ウルトラマンセブンが変身する時は、サングラスのような眼鏡をかけて・・・。 ―――そうか!ハルヒの奴は巨大化をするのか! 確かに、今まで巨大化して怪人を踏み潰したライダーの話は聞いた事がない。 JとかZOとかが似たような事をしたかもしれないが、サングラスをかけて巨大化するのは彼女が始めてだ。 まさに新感覚ヒーローだ。二十一世紀に旋風を巻き起こすぞ! しかもその最初の犠牲者が俺! 全くもって光栄な話。・・・って、冗談じゃない!! ここは何としても巨大化を防がねば。 「待て!そのサングラスをかけてはいけない!それに巨大化はウルトラマンの特権だぞ!! 円谷プロに業界的圧力をかけられて、二期の製作が断念しても知らないぞ俺は!!」 「うっさいわね!今時巨大化しないヒーローなんて古いのよ! 今はこれよこれ!巨大化して小さな怪人を踏み潰す! なんて効率のいい倒し方かしら~。うおおっ!体が急に!!」 俺の言葉に全く耳を貸さないハルヒは、サングラスの効力によって急速に巨大化していく。 ―――数秒後。 彼女はあっさりと天井を突き破る大きさまで巨大化した。 「うわっ!天井が崩れ始め・・・。」 俺は周囲の様子を確認しながら、崩れ始めた天井の破片を必死で避ける。 ったく!このままでは全員ショッカー基地に埋もれてしまう。 ともかく、今はみんなの安全を・・・。 「ふええ~、キョンくん助けてくださ~い!」 背後から聞こえる愛らしい声。 しかし、俺はその声を聴いた途端、悪寒が体中を駆け抜けた。 「ま、まさか・・・。」 そして嫌な予感と共に声の方へ振り向くと、そこには瓦礫に足を取られた朝比奈さんが! 「朝比奈さん!今助けます!」 俺は反射的に彼女の元へ駆け出す。 早く!早く助けなければ!! 「空間座標を固定・・・、物質の構成を解除。」 「あ・・・れ・・・?瓦礫が・・・。長門さん・・・?」 偶然にも彼女の近くにいた長門が、抑揚のない声で何かを高速で紡ぐと、 瓦礫は一瞬にしてこの場から消えうせる。 おおっ!長門。さすがだ!GJと書いてジージェーだ! これで朝比奈さんは助かった!後はここから脱出を。 「キョンくん。残念なお知らせです。」 「今度はお前か古泉!用件は早くしろ!ハルヒが巨大化したせいで、この場所が崩れるぞ!」 俺は声を荒げて古泉の方へ振り向く。 如何せん急いでいるものだから、多少の言葉の強さにはご理解いただきたい。 「では完結に・・・。え~と・・・、ここから出られないようです。」 「な、なにーーー!!本当か!古泉。」 「ええ。 きっと涼宮さんは、ショッカー基地の中でもテレビで放映されると決まって映る、 幹部たちが集うメインルームしか知らなかったのでしょう。 その証拠にキョンくん。 彼女が巨大化することによって開けられた、あの天井の穴を見てください。」 俺は古泉の言葉に従って、ハルヒが開けた天井の穴を見る。 すると中身が見えるはずの天井の内部は、まるで黒一色の混沌した空間に変化していた。 「ほら。彼女は天井裏に潜んでいたはずなのに、その天井の中身が見受けられません。 恐らくこの世界自体が『あやふや』なのでしょう。 そう、先程の戦闘員さんの構造と同じ理由です。 彼女は仮面ライダーのことを大して知らない。 その付け焼刃な知識で生まれた、いい加減な世界なんですよ。ここは。」 「付け焼刃って・・・、古泉!俺達は一体どうすればいいんだ! このままじゃあ、逃げることも隠れる事も出来ないじゃないか!」 俺はこの事実を知ると同時に、自身が置かれてる状況の絶望さ加減を理解する。 確かに長門やグウが居る限り、俺以外の安全は保障されているかもしれない。 しかしだ。怪人と勘違いされている俺はどうなのだろう。 きっとアイツの事だ。巨大化し終わったら、真っ先に俺を踏み潰してくるはず。 でも、そのとき関係ない皆にまで被害が及んだら・・・。 ヤバイ。ヤバイぞ。 俺もどうにか巨大化して、ハルヒの意識をこっちに向けさせなければ。 って、どうやって巨大化すればいいんだ? ―――はあ・・・、全く・・。 これじゃあ状況の進展はおろか、益々危険な状況になっているじゃないか! 本当に俺達は元の世界に帰れるのだろうか? 「そんなに悩まないで。安心してくださいキョンくん。」 俺が一人で状況を打破しようと模索している時に、再度古泉が話しかけてくる。 「どうした!何か策でも・・・。」 「いえ、貴方はきっと長門さんの力で僕達は無事。 怪人姿の貴方は涼宮さんにやられる。それを変えようと悩んでいると思うんですが・・・。」 全く相変わらず前置きが長い奴だ。 「早く結論を言ってくれ!ハルヒの巨大化がそろそろ終わりそうだぞ。」 「分かりました。では・・・、ゴホン。キョンくんにはこの方を紹介しましょう。」 「なっ!お、お前は!!」 古泉の後ろから、一つのシュルエットが意気揚々と姿を現す。 そう、それは・・・・。 「ほっほっほ。怪人研究家のグウです。」 「まんまグウかよ!!普通はそこで変装とか何かするだろうが!!」 「ほう・・・、ではちょっと着替えを。」 「そんな暇は無い!!大体お前はいつもいつも状況を荒らして!!」 俺は息を荒立ててグウに怒鳴り散らす。 今はお前の遊びに付き合っている暇は無いんだ。 ―――無視をさせてもらうぞ。 「いつもいつもって、お前に会ったのは今日が初めてだが。」 「ぬっ・・・、そんなことはどうでもいいんだよ!! ともかく俺はこの状況をどうにかしなくちゃいけないんだよ!じゃあな!」 「たわけ!!」 俺がグウに見切りをつけて背中を向けた瞬間、本日二回目の水平チョップが俺の頭に炸裂する。 「つつっ・・・、いってえ~な!!何すんだよグウ!!」 「ふむ、どうみてもハレに似ているなお前は。」 「だ、誰だよ。ハレって・・・。」 「グウの友達だ。」 気の毒な奴だな・・・、心の底から同情するぜ。 そのハレって奴には。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「うっくしゅ!!」 「どうしたのハレ?」 「いや、なんか僕の噂をしているような・・・。」 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「何かまた変な回想が入ったぞ。」 「気にするな。ともかくお前はそいつに似ている。 何もかも自分で抱え込んで被害者面して騒ぐあたりがな。」 「ぐっ・・・。」 グウの指摘が俺の心を小さく抉(えぐ)る。 確かにハルヒと出会ってからの俺の日常は、間違いなく非日常となった。 彼女に翻弄。そして奔走させられる毎日は夢で無く現実。 しかし、それは辛いが楽しいと感じる事もあった。 まあ、確かに彼女の起こす騒動の後始末を、俺自身の手だけで解決しようとした事は何度もあったが・・・。 「もっとグウ達を信用しろ。キョン吉。」 「グウ・・・。」 「グウと長門っちでこの場をどうにかすればいいのだろう。」 「で、出来るのか!?」 俺はグウの言葉に光明を見た気がした。 本当にコイツはとんでもなく鬱陶しく、つかみ所の無い奴だが、妙な力は使える。 そもそも俺の姿を怪人にしたのはコイツだしな。 ならば・・・、期待できる!! 「当たり前だ。ハルハルが巨大化したのだから、グウ達も巨大化すればおあいこだ。 とりあえずは時間稼ぎが出来る。」 「た、確かに。」 「しかもあっちは一人で、こっちはグウを入れて・・・。」 グウはこの場にいる人数を数え始める。 一応明確にしておくが、この場にいるのは俺を入れて、朝比奈さん・長門・古泉・グウ・戦闘員十名。 計15人だ。 「人間が3人で後は未知の生物12匹だな。」 「嫌な言い方するな!! それに人間の3人って俺と朝比奈さんと長門と古泉、そしてお前で五人だろうが!」 「ノンノン。長門っちは人間じゃないし、キョン吉は怪人だから数には入らないのですよ。 まったくもう~。」 グウはそう言いながら、くたびれた様子で両腕と首を左右に振る。 いわゆる『しょうがない奴だな~』といったポーズだ。 それにしても長門の正体を既に見抜いているとは・・・。 いや、そもそも長門に呼ばれてここに来たんだよな。 これなら尚更のこと期待できる! 「分かった分かった!分かったから早いとこ俺らを巨大化させてくれ!」 「えっ~、本当に分かった~?」 ぐっ・・・、しつこいヤツめ。 コイツは今の状況を本当に理解しているのか? 崩れ落ちてくる天井を、長門が食い止めていなければ今頃・・・・。 「分かったから早く!!」 「しょうがない。ではこのビックライトで・・・。」 グウはポケットから懐中電灯みたいのを取り出し・・・、 「っておい!!お前それはヤバイだろ!!せめて如意光にした方が・・・。」 「ふう~、いちいち文句の多い奴だ。ならばこれはどうだ。 ほらっ!『幻覚の世界では大きくなる薬』~!」 「何か露骨にヤバ~イ!!や、やっぱりそのビックライト・・・、で良いです。」 「ふん・・・、まあいい。今はキョン吉をからかっている場合じゃないしな。 いくぞ!!まずはお望みどおりキョン吉、お前からだ。ビックライト~!!」 やっぱり俺をからかっていたのか。 しかしもう腹も立たん。今はこのライトの効果で巨大化するのを・・・・。 ん・・・・? 何だか周りの風景が段々小さく・・・・。 「しまった。間違えてキョン吉にスモールライトの光をかけちゃった。テヘッ!」 『テヘッ!』じゃねえ~~!! ていうか、みんなが滅茶苦茶でっかい・・・。 あ、朝比奈さんのパンツが丸見え。 しかし黒では・・・・。 「きゃああ~~!!キョンくんのエッチ!!」 小さくなった俺の視線に気づいたのか、朝比奈さんは顔を真っ赤にしながら足をジタバタさせる。 あ、朝比奈さん!!そんなに暴れたら俺が潰れる!! そうだ!グウだ! グウに元に戻してもらって・・・。 「グウ!!早くもとに戻して・・・・。」 「えっ?このままが良い?もう蟻のように小さくなって何も考えたくないって。 仕方が無い。キョン吉がそこまで言うならば、グウは最早何も言わん。 長門っちや戦闘員達がハルハルと闘ってくれるにように交渉してくる。」 「おい!そうじゃねえだろ!俺を元に戻せって!おい!聞いてるのか?グウ~~!!」 俺の言葉を無視して、グウは長門達の方へ歩みだす。 だいたい長門達が闘うって、ハルヒは元々俺を狙ってるんだぞ。 それに元の世界に戻す方法だってまだ・・・。 ま、まさか!?グウはこの世界を元に戻し方を思いついたのか? そうだ。そうに違いない。 その案の中では、俺の存在が邪魔だってことだ。 それならば納得がいく。 いや、そうなってくれ!グウよ!頼んだぞ!! 「じゃあ、長門っちがゴーグルレッド。みくみくがゴーグルブルー。 で、そこのスマイリーがジパンでどうだ。」 「一人だけジャンルがちが~う!!」 期待した俺が損した。 やっぱりグウの奴は唯単に遊んでいるだけなんだな。 はあ・・・、本当に神がこの世にいるならば、是非ともこれを夢にしていただきたいものだ。 「キョン吉よ。そう絶望するでない。これはほんの戯れ。 ちょっとした冗談だ。では行くぞ皆の衆。」 「は、はい!」 「いつでもどうぞ。」 「いい。」 グウの言葉に、皆が了解の旨を伝える。 ん・・・?そういえば、このままだと皆がハルヒと闘う事になるのか? おいおい、それは流石にヤバイだろ。 長門や古泉はともかくとして、朝比奈さんはどう見てもアイツの餌食に・・・。 「これからグウのビックライトで巨大化した後、長門っちが今から作る強化スーツを着て、 仮面ライダーセブンハルハルとガチンコ対決だ!」 「おいグウ!! 朝比奈さん達にそんなことをさせて、怪我でもしたらどうするんだ! 巨大化させるのはいいが、絶対闘わせるなよ!いいな!!」 「ふう・・・。何だかハエが五月蝿いですな~。ほ~れ!」 グウは突然右足を宙に上げると、徐に俺の頭上で静止させる。 「ん・・・?」 そして、満面の笑顔でおもいっきり振り下ろした!! 「どすこ~い!!」 ようは俺を潰しに来たのである。 「うわっ!!」 俺は寸前のところで転がるようにして避ける。 はっきり言って、この怪人の身体能力がなければ死んでいたところだ。 本当に・・・、まじで死んじゃう五秒前だったぞ。 ふう、それにしてもコイツ・・・、まさか俺を殺す気では。 それとも、今のは唯の冗談。 いや、冗談でも笑えないんだが。 「ちっ・・。」 「今、『ちっ』って言ったよね!俺を踏む気だったよね!! 本気と書いてマジだったよね!?」 「じゃあ、ビックライトを照射するぞ~!準備はいいか~?」 くう~~!グウの奴はどこまで俺を無視する気なんだ? それにいくらこの状況でも、ハルヒと闘うなんて皆がやろうとするはずが・・・、 「これしか方法がないんだったら・・・。私、やります!」 へっ?朝比奈さん? 「仕方ないですね。なんとか涼宮さんを大人しくさせて、元の世界に戻る方法を考えなくては。」 いやいや、その考えは半分正しくて、半分間違っていると思うぞ。古泉よ。 「了解・・・。」 それだけか長門よ!! 一体皆はどうしたんだ? そんなに闘いたいのか、ハルヒの奴と! 「じゃあ、いくぞ~!ビックライ・・・。」 「どうしたの!怪人キョン吉!姿を現しなさい!!」 正にグウがビックライトで皆を巨大化させようとした瞬間。 上空からハルヒの声が辺りを劈いた。 どうやら彼女の巨大化は無事完了。 つまり、仮面ライダーセブンハルヒが誕生したというワケだ。 これは一刻の猶予も・・・、ここはやはり怪人の力を得た俺が!! 「グウよ!!早く俺を巨大化してくれ! そして皆は俺がハルヒと闘っている間に、この世界を元の世界に戻す方法を!!」 「む、悪が巨大化を完了したようだ!もう一度いくぞ皆の衆!!ビックライト~。」 グウは俺の言葉を華麗に無視して、ビックライトのスイッチを躊躇無く押す。 ――――ビックライトの先端から照射される光。 それは長門達を包み込むよう照らすと、彼女達の身長を物理法則など知らぬ存ぜぬな速度で増大させた。 「お、おっきくなってる・・・。」 「凄いですね~。」 「身長の巨大化を確認。これより戦闘スーツを構成する。」 お~、本当に皆が大きく・・・って! 皆が無事に大きくなったのは良いけれど、俺は一体どうなるんだ? この小さいなりのままでは、崩れゆくショッカー基地と運命を共にしてまう。 肝心のグウは当てになるはずも無いし・・・。 「ほれ。キョン吉はグウと一緒にいろ。」 「ぐ、グウ!?」 グウは小さくなった俺の体を、自身が着ているマフラーの中に置く。 まさか、グウが小さくなった俺を拾ってくれるとは。 いや、小さくなったのはグウのせいだが。 「ともかくここで見ていろ。グウが見事にお前達を元の世界に戻してやる。」 「グウ・・・。」 よかった・・・。 グウは元の世界に戻る方法が分かったんだな。 今まで変なツッコミばっかり入れてゴメン。 ―――だからグウ。 「頑張ってくれよな。俺はここにいる事しか出来ないけど応援してるぞ!」 「任せておけキョン吉。お前がツッコミ死するくらいの世にも面白いものを見せてやる。 今まで見たことの無いような闘いに追加して、著作権を全く無視した放送コードぎりぎりの・・・。」 グウは半笑いの表情を作りながら、親指を誇らしげに立てる。 う~む。やっぱり俺がどうにかしなくては。 ――――――――――涼宮ハルヒの正義改め、SOS団はいつもハルヒのちキョン・6――――――――――
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さて、今から言うことは俺の妄想の産物である。目がさえてはいたが、 眠らないと明日がきつくなると思ったので、無理やりベッドの中に潜り込んでみたものの、 やっぱり寝られない。今時、眠るために羊を数えるのも相当アレなので、 ちょっと気を紛らわせるためにあることを妄想してみようと考えている。 まず、今日の夜にあったことが妄想を作り出すキーとなる。 恐らく地球人類の大半は認識しているであろう、人間の最大の敵、国際テロ組織ブラックデビルの 工作員が我が家に侵入攻撃を仕掛けてきたのだ。ちなみにやたらと大仰にぼかしてあるのはストレートに表現すると 大変胸くそ悪くなるからという短絡的な理由なので気にしないでくれ。 で、我が妹がキャーキャー黄色い悲鳴を上げて逃げ回るのを尻目に、 俺はスリッパとホウキという通常戦力で立ち向かうがあえなく撃沈。陸空を動ける高機動性を甘く見ていたぜ。 やむえず、国際法に違反しかねないと自覚しつつも、化学兵器を投入して勝利を収めることができた。 ……アフリカの原住民に負けそうになったイタリア軍みたいなんていうちょこざいなツッコミは受け付けんからな。 まあ、そんなこんなで我が家に平和が戻ったのだが、ふと考えたことがある。 それはSOS団の連中が同じ状況になったらどんなリアクションを取るのだろうか?というささやかな疑問だ。 その時はそのまま思考終了だったが、せっかく時間をもてあましているのだから、ちょっと妄想してみようと思う。 ★ 舞台設定 まず、舞台設定だ。とくに凝る必要もないし、団員が誰もいない部室に入ったところ、 団長席をテロリスト工作員が占拠していたというもので良いだろう。 ● SOS団団長涼宮ハルヒの場合 (ヒーロー編) トップバッターはまずハルヒだ。まあ、普段の超強気な性格からして我が妹と同じ行動を取るとは思えないな。 まず、部室にハルヒが登場。 「やーっほーっ……って誰もいないじゃん。ったく、みんな不真面目ね! ちょっと説教してやろうかしら」 そんなことをぶつくさ言いながら、部室の真ん中辺りまできて、工作員に気が付くわけだ。 「なっ……!」 眉毛を引くつかせて、額に神経を浮かせるハルヒ。当然、それは恐怖ではなく怒りのためだ。 「こここここぅらあぁぁぁぁ!」 奇声のような意味不明な叫びを挙げて、掃除用具入れからホウキを取り出すハルヒ。 そして、団長席にじりじりと詰め寄っていく。 「ふふふふふふ、神聖なるあたしの団長席を占領するとは良い度胸じゃない! その宣戦布告は受け取ったわ!」 そうハルヒは威勢良く敵とにらみ合いを続ける。 そのまま、数分間が経過し、ついにハルヒが仕掛けた! 「とおっ!」 昔の特撮ヒーローのかけ声を挙げつつ、一気に机上の敵にホウキを振り下ろす! しかし、奴も負けてはいない。即座に超高速機動を発動し、華麗にハルヒの攻撃をかわした。 ホウキが机に叩きつけられる音だけがむなしく部室内に響き渡る。 「おのれちょこざいな!」 負けることが運命づけられているようなセリフを吐きつつ、ハルヒは容赦ない追撃を開始。 「まてー!」 結構かわいい声を上げながら床を高機動で逃げ回る奴を追いかけていくわけだが、敵も中々しぶとい。 あの手この手を使い、持ち味の高機動を駆使して、部屋の隅に逃げ込もうとする。 しかし、我らが団長涼宮ハルヒも負けてはいない。致命的ダメージを与えられないものの、 巧妙なテクニックでやつらの聖域(壁の隙間とか本棚の後ろとか)への撤退を許さないのだ。 これは持久戦か……という展開を思わせていたが、意外に決着は早く付いた。工作員が不利を悟ったのか、 起死回生の手段に打って出たのだ。 「うわっ!」 そう悲鳴を上げるハルヒ。なぜなら、奴が突然彼女の顔めがけて特攻を仕掛けてきたからである。 ここで一度ハルヒに精神的ダメージを与えてひるませたスキに、撤退するという作戦なのだろう。 どんな屈強な軍人でも、真正面にこいつが飛んできたらビビって逃げ出すに違いない。 だが、ハルヒは通常の神経は持っていない。世界一の負けず嫌いだ! それくらいでひるんだりはしないぜ! 「もらったぁ!」 全盛期の王貞治のように、ホウキをバット代わりにきれいな一本足打法で、奴をクリーンヒットだ! そのまま、窓の外へホームラン! 我がSOS団の完全勝利! きまったぜ! ◇◇◇◇ ……とまあ、ちょっと盛り上げてみたが、どうもいまいち感がある。原因はやはりハルヒだ。 いさましいのは大変結構だが、ちょっとかわい気がなさすぎやしないか? もーちょっとなんというか、 女の子っぽい側面を持っていても良いと思うんだよ、俺は。 というわけで、実はハルヒはブラックデビル団にトラウマを持っているという設定を追加してみよう。 ● SOS団団長涼宮ハルヒの場合 (トラウマ編) 登場は同じだ。 「やーほー! って、だれもいないじゃん――げっ!」 だてに精神的外傷と書いてトラウマと呼ぶだけのことはある。とっさに奴の気配を感じ取ったハルヒは 恐怖のあまり、部室入り口で硬直状態になってしまうのだ。 「…………」 いつもの傍若無人ぶりはどこへやら。すっかり青ざめてしまったハルヒだ。さて、こういう場合、 どういう行動を取るのだろうか? しばらくそわそわと考え込んでいたハルヒだったが、やがて携帯電話を取り出し、呼び出しを開始する。 なるほど、援軍を要請するみたいだな。まあ、順当な行動だろ――ってちょっと待て。 「あ、キョン? 部室が大変なことになっているから、とっとと来なさい? え? 今手が離せない!? 団長命令よ! 30秒以内に来ないと、明日の弁当を食っちゃうからね! 何でも良いからとっとと来なさい!」 やっぱ、俺が呼ばれてんじゃねーか! ちなみに今日は黒妖怪に勇気を持って立ち向かいはしたが、 基本的に一般人スペックな俺は当然奴の姿を見るだけでもイヤだ。 しかし、この状況で部室が敵に占領されているなんて知りもしない俺はのこのこと現れる。 「なんだ、ハルヒ――」 「うりゃぁ!」 部室の中に少しでも入ったのが運の尽きだ。ハルヒに回し蹴りを喰らい、俺は部室の中に転がり込んでしまう。 「なにしやがる!」 そう俺は顔を紅潮させて抗議するだろうが、すでに部室の扉はしっかりと閉じられているはずだ。 あいつの目的は一つだろうからな。 イライラ限界な俺が閉じられた部室の入り口を開こうとするが、ぴくりともしないだろう。それもそのはず、 ハルヒが持ち前の馬鹿力でしっかりと扉を封鎖しているからだ。 「おいハルヒ、これはいったい何の冗談だ? とっととここを開けろ」 「キョン、あなたの死は決して無駄にしないわ……」 物騒なハルヒの声がドア越しに聞こえてきた辺りで、俺も背後の奴の存在に気が付くだろう。 「ちょっと待てハルヒ! いくら何でもこれはあんまりじゃないか!?」 「ええい! 部室の平和を取り戻すのも団員の役目よ! 奴を殲滅するまでここから一歩も出さないからね!」 「手ぶらで戦えってのか!?」 「ファイトよ!」 「もっとマシなことを――」 そこである音に俺が気が付くんだ。おそるおそる団長席の方を振り返ると、奴が飛行形態へ変形し、今にも 俺の方へ飛び立とうとしていて―― ◇◇◇◇ ――眠くなるどころか気分が悪くなってきたぞ。ここから先は、俺の苦闘シーンに突入するだろうから カットだカット。何が悲しくて、妄想の中でもあいつとたたかわなけりゃならんのか。 さて、ハルヒ編を想像してもろくな結果になりそうじゃないので、次に行こうと思う。 SOS団最強の無口文芸少女・長門有希の登場だ。 ……しかし、あいつの行動パターンは一つぐらいしか思いつかないが。 ● 長門有希の場合 (最強伝説編) いつものように無口で部室に登場。当然、長門の察知能力ならば、視認する必要もなく部屋に入る前に 奴の存在に気が付いていそうだ。しかし、 「…………」 無言のまま定位置に座り、そのままいつものように読書を開始する。当然、工作員のことなど完全無視。 これには奴の方が唖然とするんじゃないのか? 人間――外見だけだが――至近距離にいても 何のリアクションも起こさないなんて闇の邪教集団ダークの存在がこの地球上に出現して以来一度もないはずだ。 ……さすがにそれは言い過ぎか。 長門にとって見れば、奴の存在なんぞ太陽系第三惑星に生息している一生物程度の扱いでしかないんだろうな。 歩く病原菌みたいな存在であっても、長門に何らかのウィルスが感染する可能性なんて皆無だろうし。 しかし、工作員もこの状況が我慢できるわけがない。奴にもプライドというものがあるだろうからな。 そこで、果敢にも長門に闘いを挑むわけだが、 「邪魔」 と、一瞬で謎の超能力により消滅させられて終了。あっけない幕切れだった。 ◇◇◇◇ まあ、なんだ。展開的にハルヒ以上に味気がない。長門らしいと言えばそれまでだが、もうちょっと何とかならんのか。 しかし、ハルヒのようにトラウマをとってつけるわけにもいかん。長門は基本的に無口無表情であり、 俺もそれ以外の彼女を一度もみたことがないため、想像のしようがないのだ。 仮に無理やり怖がらせてみても「きゃーこわいたすけて」なんていういつぞやの映画内以上の超棒読みセリフしか 脳内再生ができない。 ……いやまてよ? 年末に別の世界にすっ飛ばされたときにあった、あの内気で気の弱そうな長門なら もっと別な想像ができそうだが―― ● 長門有希の場合 (○○○編) あのおどおどとした感じの長門が部室に入ってくる。 少し鈍そうだからな。たぶん、気が付かずに定位置の椅子に座るだろう。 「…………!」 その時についに奴の存在に気が付いてしまうんだ。さらに驚きのあまり椅子に座り損ねて、 床に倒れ込んでしまう。 その隙だらけな彼女を奴が見逃すわけがないだろう。ここぞとばかりに強気に出て、内気少女長門有希へ 接近を開始する。 「あ……ああ……」 一方、おびえて声も出せない長門は床をはいずり回るように逃げるが、それをさもおもしろそうに 奴はじりじりと追いつめていくんだ。 「……助けて……」 やがて、部屋の隅においこまれてしまった長門。 もはや逃げ場を失い、声にもならない悲鳴を上げることしかできなくなった彼女に、 牙をむき出しにした変態黒男はついに―― ◇◇◇◇ 段々罪悪感が俺の頭の中に蔓延してきたのでここで強制終了だ。 つーか、俺は一体何を考えているのか? か弱い少女をいたぶるような想像をするなんて、 人間として最低じゃないか。俺はそこまで落ちぶれた憶えはないぞ。やめやめ。 さて、気持ちを切り替えたいのでとっとと次に行く――しかし、順番的に考えれば、 古泉の番になるわけだが、いくら眠れない時間の暇つぶしとはいえ、なぜにベッドに潜り込みながら、 インチキさわやかスマイル野郎のことなんか想像せねばならんのか。 ………… ………… ぶつくさいっていても始まらないので、とりあえず想像してみる。眠気も中々来てくれないしな。 ● 古泉一樹の場合 (スマイル編) さて、まず古泉が誰もいない部室に現れるのだが、 「やあみなさん、ごきげんいかがですか――おや、だれもいないようですね。少し早すぎましたか」 こんな感じだろうか? いまいち想像できん。よくよく考えれば、あいつが一番最初に部室に 現れていたことがあった憶えがないし、たとえあってもその場に俺はいないんだから、 どういう行動を取るのか知っているわけもない。そういや、以前気色の悪いスマイル面は演技のようなことを いっていたっけな。意外と一人の時は本性丸出しなのかもしれん。見たことがないから想像もできないが。 そして、次に工作員の存在に気が付く訳だが、 「…………」 リアクションが想像できん。思いつくのはしばらく考え込むぐらいだな。それで行こう。 そして、思考が終了したのか、何やら悪巧みを思いついたらしい。ぽんと手を叩くと、何やら携帯をかけ始める。 相手はあの古泉が謀略により担ぎ上げた生徒会長だ。 しばらく話し込んでいたようだが、やがて悪巧みの算段が整ったらしい。満足げに携帯を一旦切ったかと思えば、 またすぐに別の番号へ発信を始める。相手はやはりハルヒだろう。 「あ、どうも涼宮さん、ちょっといいですか」 『古泉くん? めずらしいわね、あたしに携帯をかけてくるなんて』 「ちょっと、気になる情報を入手しましてね……」 『ひょっとして――またあの陰険生徒会長が何かちょっかい出してきたんじゃないの?』 恐るべき勘の鋭さに、古泉は軽く苦笑しながら、 「ええそうです。どうやら、こそくな嫌がらせ行為をしているという噂を聞きつけましてね。 どうやら部室に対して何やら仕掛けをしようとしているようです」 『ぬわんですって! ほんっとに懲りない奴ね!』 「そうですね。僕もすぐに部室の状態を確認しようと思ったんですが、あいにくどうしても手が離せない状態でして。それで涼宮さんに報告をと」 どうやら部室に来ていないということにしたいらしい。 『大丈夫よ! 今からあたしがすっ飛んでいってそんな悪巧みを粉砕してやるわ! どうせ入り口に黒板消しを挟んでいる程度でしょうけどね!』 そこまで言ってハルヒは一方的に電話を切った。短絡的な反応に古泉は満足したのか、いつものニヤケスマイルを工作員に向けて、 「では僕は退散します。がんばって涼宮さんの退屈を紛らわせてくださいね」 そういって部室を出て行った。その後、ドドドドドと廊下をダッシュしてくるハルヒの足音が近づいてきて―― ◇◇◇◇ 終わり。腹黒い古泉が考えそうな展開だ。このあと取ったハルヒの行動は、上の方のヒーロー編かトラウマ編を参照してくれ。 さて、古泉効果があったのかは知らないが、ぼちぼち眠くなってきたぞ。しかし、まだやめるわけにはいかんのだ。 俺のすぃ~とえんじぇ~る・朝比奈さん編が残っているんだからな~。 ● 朝比奈みくるの場合 (逃走編) まずは部室に来ないと話にならないから、朝比奈さんが誰もいない部室に登場~。 「こんにちは~、あれ? まだ早かったかな?」 そう誰もいない部室に入りつつ、辺りを見回すんだが、当然団長席上の奴に気が付く。 「ひっ……!」 そんな感じで引きつった表情になる朝比奈さん。そして―― 「うひゃひおえ~!」 声にならない悲鳴を上げて部室から逃げ出したのだった。チャンチャン。 ◇◇◇◇ 終わりかよ! 終わっちまったよ! てか、カマドウマの時の反応を考えれば、発見→逃走とつながるのは当然だろ。少し手を加える必要があるな。ここは俺と一緒に部室にやってきたことにしてみよう。 ――く~、かなり眠くなってきたががんばれ俺! ● 朝比奈みくるの場合 (迷走編) 朝比奈さんと談笑しつつ、部室に入る俺たち。当然奴に気が付くわけだが、ドアを開けたと同時に気が付いたらさっきの二の舞だ。 部室に入りドアを閉めてから、奴の存在に気が付かなければならない。 「ひっ……!」 条件がそろってからようやく朝比奈さんが奴に気が付く。当然、予想もしていなかった俺も驚くが、ここは勇気を振り絞り、朝比奈さんをかばうように奴の前に立ちふさがろうとして―― 「ひえ~! こわいこわいこわいこわいこわい~!」 突然朝比奈さんに抱きつかれてしまう。ふくよかな感触で俺の頭が飽和状態になる一方、へんに強く押さえつけられてしまったために身動きが取れない。 「ちょ、ちょっと朝比奈さん離れて……げ!」 幸せ拘束状態の俺にしめたと思ったのか、黒い悪魔は俺の顔面めがけて飛び立った―― ◇◇◇◇ なんでこーなるんだ! やっぱりカマドウマの時の一件か!? あれが原因なのか!? 確かに一歩間違えば、命に関わりかねない状況だったけどな! く……これはヤバイほどに眠たくなってきたぜ。しかし、ここで負けるわけにはいかない。 恐らく次が最後となるだろう。ならば捏造でも何でも放り込んで最大級のハッピーエンドを迎えて夢の中へ行くべきだ。続きが見れるかもしれないからな! ● 朝比奈みくるの場合 (やけくそ編) とにかく、朝比奈さんと一緒に部室にはいるまでは同じだ。違うのは奴の存在に気付いてからになる。 「ひっ……!」 朝比奈さんの引きつった悲鳴。そして、俺にそのまま抱きつこうとするが、 「待ってください。朝比奈さん」 気持ち悪いくらいに誇張された口調の俺。そして、続ける。 「どうやら不届きものが、俺たちの愛の巣に侵入しているようです。しかし、ご安心ください。俺が守ります」 「キョンくん……ありがとう」 感激の声を上げる朝比奈さん。こんな良い感じになりたいぜ。 さて、ここからは俺のパートだ。だが、長く時間をかけるわけにはいかない(眠いからな)。そのまま訳のわからんカンフーポーズを決める俺。 「一瞬できめるぜ……」 だが、奴はそれをハッタリと見たのか、間髪入れずに飛行形態へ変形、一気に襲いかかってきた! 「甘い――破っ!」 俺の拳から発した衝撃波で奴は原始分解を起こしたように消滅した(さわると汚いし)。勝利をつかんだ俺はマイエンジェルの方に振り返り、 「喜んでください、朝比奈さん。悪の侵略は費えました」 「よかった……キョンくん、すてき……」 朝比奈さんは満面の笑顔を浮かべて、俺の元に寄る。 そして――上目遣いのまま、目を閉じる。(キスOKという合図さ) 「朝比奈さん……」 「キョンくん……」 俺と朝比奈さんの顔がじりじりと近づいていく。 もはやストーリーもリアリティも存在しないご都合主義展開の固まりだが、知ったことか。ここまで来たらもう後には引けん。行け! 行くんだ俺! GO! ◇◇◇◇ ……ぐう。 翌日の授業中、恐るべき睡魔との激しい肉弾戦を展開する中、昨日の俺のバカな行為を散々呪ったことは言うまでもない。